2007年1-8月

 

12/29

 やっと最近Gil Coggins "Better Late Than Never"とSacha Perry "Not Brand X"を入手しました。予想通り、どちらもかなりコアなアルバムです。

 最近は気の向くままに色んなアルバムをかけていますが、結局いつも聴いていたものを繰り返しかけているような気がします。違うところがあるとしたら、そのローテーションにThelonious Monkが大きく入り込んできたことでしょうか・・。どうにも納得できない部分がたまにあるのですが、結局はまり込んでしまいました。"Genius of Modern Music"は面白いですね。"Solo Monk"、"Thelonious Himself"と重ねて聴くとなお面白い。ではまた。

10/11

 Hank Jones素晴らしい!やるもんだ!ソロアルバム "Satin Doll"をよく聴いています。演奏は全体としてTeddy Wilsonらスイング時代のピアニストが持っていたテイストを強く感じさせるのですが、その中に見られるコードワークは絶妙で、新鮮さのある、飽きの来ない面白い演奏をします。あのコードワークがどこから来るのかずっと考えてきたのですが、どうやらひとつ面白いことを発見しました。でも内緒です。

 実はTommy FlanaganのCDをほとんど持っていないことに気付きました。Hank Jonesもですが。もうちょっと色々聴いてみないとわかりませんね。せっかく素晴らしいピアニストなのに・・。時間を見つけて探してみます。ではまた。

8/22

 最近、Bill Evansをよく聴きます。ちょっと軽めの感じが好きじゃないのですが、コードやラインは天才的ですね。和音の作り方なんかも、黒人のミュージシャンと全然タイプが違うのにある形で完成されているように感じます。Cannonball Adderleyの"Know What I Mean""を毎日のように聴いているのですが、面白いなあ。

 Grant Greenの"Visions"というアルバムがありますが、どうやら昔の流行りの曲を沢山やっているらしく、中でも聞き覚えのあったLove on a Two-Way Streetがどんな曲か調べてみました。1968年に結成されたMomentsというコーラスグループのヒット曲らしいです。他にも、Does Anebody Really Know What Time It IsがChicagoというグループの曲であるとか、原曲を聴いて反芻して楽しみました。

 最近、寝る前に音楽を聴かなくなりました。いつも聴いている音楽になってしまうので、コピーした部分を確認しようとして眠れなくなるからですが・・。ではまた。

7/21

 Kenny Clarke、こんなにいいのか。Bud Powellのヨーロッパでの演奏を聴いています。当時のBud Powellはヨーロッパのミュージシャンと共演する機会も多く、50年代後半までとは打って変わって情緒豊かなかみ締めるような演奏が特徴的です。その際よく共演しているのが同時期にヨーロッパに渡って活動していたドラマー、Kenny Clarkeです。シンバルとハットを基調としたドラムスタイルを作り出したとも言われる人で、独特ではあるのですが、今のオーソドックスなドラムスタイルのフォーマットとも言えるシンプルなスタイルで演奏し、その中で強くリズムを主張できる達人です。聴いているととても面白い。もうちょっと真面目に聴いてみようと思います。

 当時のBud Powellの演奏が映像で残ってますね。おそらくまだまだこれから少しずつリリースされていくんだと思って楽しみにしています。ではまた。

7/13

 Tadd Dameronの"The Magic Touch"と"In Paris Festival International De Jazz"が届きました。後者は一応Miles Davis名義ですが、Tadd Dameronらしい演奏が聴けるのでそっちを楽しんでます。"In Paris Festival International De Jazz"というアルバムはライブ録音・・というか海賊盤みたいな印象を受ける音質の悪いアルバムなんですが、それもそのはず、1949年の録音でした。Tadd Dameronのオリジナル曲を多数演奏しているのとテナーサックスにJames Moody、ドラムにKenny Clarkeが参加しているので魅力的です。やっぱTadd Dameronすごくいい。下から持ち上げるような広いコードと鋭いリズムは圧倒的です。

 "The Magic Touch"は寝る前にゆっくり聴きたいアルバムなので、とっときます。ではまた。

7/1

 amazonにTadd Dameronの"Magic Touch"とMiles Davisの"In Paris Festival International De Jazz"というアルバムを注文しました。両方、Tadd Dameronがピアノで参加しているアルバムです。さてどんなアルバムが届くのか・・。

 Walter Bishop Jr.の"What's New"が届きました。このアルバム、ベースがPeter WashingtonでドラムがKenny Washingtonという、今ノりにノっているリズムセクションがサイドメンとして参加しているのですが、アルバムのイメージとして、日本の企業がウケを狙って作ったように思われて仕方ありません。偏見かもしれませんが・・。

 それにしても、とうとう学生生活最後の夏が始まったように思います。夏といえばAndrew HillとかBobby Hutchersonとかそういうハードバップ模索期のジャズが聴きたくなるところがあります。若いときのAndrew Hillを探るのも面白いかもしれない。ではまた。

6/22

 Les McCannという人をよく知らなかったのですが、ファンキージャズの世界では有名な人みたいですね。今色々試聴してみてます。これはジャズロックと言うんだろうか?Stanley Turrentineの"Tha's Where It's at"で初めて聴いたのですが、アルバムとしてはすごくいい感じです。

 Horace Parlanの"Movin' and Groovin'"も聴いてみました。スタンダードナンバーが沢山収録されているので、以前買おうと思ったことがあったのですが、聴いてみるとそこまで新鮮な感じではありませんでした。やっぱ名盤は"Us Three"だと思います。

 そして、先日届いたFreddie Reddです。Horace Silverの影響はやはり強いのではないかと思います。もう少し深い感じのリズムの方が好きだなーと思うところはありましたが、もう何回か聴いてみてもう少し考えようと思うところがありました。バップスタイルの中にも色々あるものですね。ドラムで参加しているAl Drearesという人は初めて知りました。

 次はJohnny Aceaを探してみようと思います。John Adriano Aceaっていう名前らしいですよ。キューバからの移民で、生まれは1917年、1963年には亡くなったそうです。意外に古い人でした。Grant Greenの"The Latin Bit"に入っていますが、他にもDon Wilkersonの"Scrappy"、Joe Holidayの"Holiday for Jazz"、Leo Parkerの"Rollin' with Leo"というアルバムに入っているようです。検索に苦労して気づいたのですが、どうやらJohnny Aceaという名前での収録だけでなく、Adrian Aceaという名前での収録もいくつかあるらしく、Roy Haynesの"Bushman's Holiday"、Roy Haynes & Quincy Jonesの"Jazz Abroad"というアルバムにそういうプレイヤーが参加しているのを発見しました。アマゾンにもあんまり置いてないようなので、気長に探していきます。リーダー作はないみたいなので・・。

 最近、海外のWikipediaでミュージシャンの項目が充実してきてますよ。おすすめします。ではまた。

6/10

 間違ったアルバム名を一ヶ月間も晒してました。正しくは、Duke Ellingtonの"Money Jungle"ですね。

 ここんとこずっとTadd Dameronを聴いています。最近、自分の好みのジャズピアニストがほぼ決まったきたのですが、その中にTadd Dameronは欠かせない存在です。演奏が地味であること、連続的なメロディーを強調しないことが結果的に彼の知名度にマイナスになってしまっているのですが、何よりもコンセプトが違うことに気づくと沢山面白い音が聞こえてきます。Tadd Dameronが無名であることは、Bud Powellらの作り上げたバップピアノが王道になったことの弊害の一つだと言えるかもしれません。

 最近Freddie Reddが気になってます。Horace Silverの影響がうかがえるピアニストで、管楽器を何本か入れた編成で録音してる印象が強くあります。あまり沢山聴いたことがないので、ファンキーなところが本質的なのかどうなのか悩ましいところです。ファンキーな感じより、深い音の方が好きなので・・。とりあえず、2枚ほどアマゾンに注文してみました。"San Francisco Suite" "Straight Ahead"です。

 日記の更新も、もしかしたら今年度残すところあと数回かもしれません。CDを新しく買いに行くこともあんまりないし・・。ではまた。

5/15

 Duke Ellingtonの"Monkey Jungle"が熱い!Duke Ellingtonは言わずと知れたビッグネームですが、この人の音楽そのものにはかなりクセがあるように思います。ビッグバンドの演奏になるとあまり感じないですが、少人数編成だとその個性がむき出しになる感じです。それをうまいこと形にしたのがこのアルバムかもしれません。ベースのCharles Mingusもすごくアグレッシブに後ろからエリントンを攻撃してます。Max Roachも強烈!

 私事で恐縮ですが、『ジャズ批評』5月号のp154-155に我らが中川正浩トリオのライブレポートが載ってます。僕もしっかり載せていただいて、身に余る光栄です。よかったら見てやってください。ではまた。

4/7

 Tardo Hammerという人は「白いBarry Harris」と呼ばれるバップピアノの名手らしいですが、僕の中では「白いパウエル」ことClaude Williamsonを聴いたときのイメージが強く、白人バップピアニストに対して先入観が植えつけられています。白人的であることは別に音楽的に良くも悪くもないはずなんですが、なんででしょうか、あまり好きになれません。そうは言っても左手のリズムの安定感は秀逸。必要なところにスポスポ入っていきます。

 ところで、最近行く先々でTommy FlanaganのCDを耳にするのですが、誰のサイドメンとして加わっているかで物凄く演奏が変わります。思いっきり深く重く引っ張ってみたり、ぐいぐい前に引っ張っていったり。リズムコントロールってやつなんだと思います。使っている音符はそこまで変わりないと思うのですが、雰囲気を変えているのは右手のライン、両手を使ったコード。左手はいつも同じに右手を支えているような感じです。勉強になります・・。ではまた。

2/22

 Charles McPhersonの"Beautiful!"というアルバムを友人に借りてきました。Duke Jordanと共演しているのにちょっと吃驚しましたが、感じのいい作品です。Barry Harrisと共演していた頃と比べると少し癖が抜けた感じがして、純粋にCharlie Parkerスタイルを確立したように感じました。

 Sacha Perryの"Not Brand X"というアルバムがamazon.co.jpで予約できるようです。あと、Walter Bishop Jr.の"What's New"をamazon.co.jpで見つけました。物凄くかっこいいアルバムなのですが、比較的入手困難。Peter Washington、Kenny Washingtonがサイドメンとして参加しているのが印象的でした。欲しいアルバムはチェックして、楽しみとして残しておきます。ではまた。

2/14

 Gates 7 というライブスペースが福岡は中洲にオープンするそうです。オープニングライブは渡辺貞夫グループとのこと。福岡市内にブルーノートに変わる場所が出来て嬉しいのですが、、うまく続くことを祈ります。

 Neal Minerのアルバム"The Evening Sound"が届きました。Neal Minerという人はJon Hendricksのバンドのベーシストも勤めていたそうです。リズムが広い感じのする、とても黒人らしいベースでした。別のメンバーとやっているのも聴いてみたいと言うのが率直な感想です。リズムセクションのバランスがあまり好きな感じではありませんでした。ホーンセクションのアレンジやベースは好きなんですが・・。

 気になっているミュージシャンを少しずつチェックしてはいるのですが、新しい人も本当に沢山いますね。面白い情報お待ちしております。ではまた。

2/12

 昨日友達がかけていたオムニバスのアルバムがかなり熱かった。出てくるミュージシャンがことごとく渋い。ピアニストのオムニバスアルバムだったのですが、Teddy Wilson、Nat King Cole、Art Tatum、Earl Hines、Thelonious Monk、Bud Powell、そのあたりはまあ有名どころということで、その後に続くElmo HopeやLennie Tristano、Claude Williamson、バラードばかりHank Jones、John Lewis、Jimmy Rolesで区別がつかないなど、僕個人としてはかなり悔しい思いもしつつ終始気が抜けないアルバムでした。バップ移行期のピアニストは色々いて面白いです。

 今日友達の日記で見たのですが、元大統領Bill ClintonはCDを出しているようです。ジャズかどうかは試聴できなかったのでわかりませんが、スタンダードナンバーもやってました。写真もネットに落ちているようですよ。様になっていたので笑えました。ではまた。

2/11

 Chris ByarsというN.Y.で活動しているテナー奏者のアルバムで"Photos in Black, White and Grey"というアルバムを借りてきました。ピアノにSacha Perry、ベースにAri Rolandが参加しているのですが、ドラムのAndy Watsonという人のドラムに吃驚しました。珍しいと思うくらいにバップスタイル、(Philly Joe Jonesスタイル?)のドラムを叩きます。最近聴いた中じゃ一番好きなドラムかもしれません。Smalls Recordsは熱い!

 大坂昌彦さんのアルバムで"Dawn Breaks"というアルバムを買ってみました。トランペットに原朋直さん、ピアノに水野修平さん(録音当時、今の僕と同い年くらい!)が参加しているアルバムです。Wynton Marsalisのバンドでやっていた音楽と雰囲気が似ていたので、コンテンポラリーと呼ばれるものだと思うのですが、内容はかなりオーソドックスに感じました。

 最近のジャズの最前線はどんなものなんでしょうか?オーソドックスなジャズに戻る流れがあるような感じも受けますが、サブカテゴリーが細分化されすぎてよくわからなくなってしまいました。ではまた。

2/5

 あけましておめでとうございます。

 昨日、brownyでジャズピアノトリオ「鳥尾さん」のお三方にお会いしてきました。共通の友人がいて、楽しくお喋りしてきました。かなり厳しいスケジュールで疲れているところをさらにセッションにまで付き合っていただいて、ホントにどうもありがとうございました・・。リンクに鳥尾さんのホームページを追加しているのでぜひ見てみてください。

 Neal MinerというベーシストがSmalls RecordsからCDを出しているのですが、試聴してみたところすごく感じが良かったので買ってみることにしました。"The Evening Sound"というアルバムです。ピアノで参加しているSteve Ashという人も感じのよいバップピアノを披露しています。

 今年も気ままに更新していきますのでよろしくお願いします。ではまた。