2003年

 

人生、色々あります。ご勘弁を。

 

12/31

 Chick CoreaとBobby Mcferrinの"Play"というCDを聴いています。"Spain" "Autumn Leaves"など有名な曲が多く、ヴォーカルとピアノのインタープレイにも大変興味深いものがあります。初めて聴きました。ヴォーカルがピアノのバッキングをしているものを。ただ、Bobby Mcferrinはあまり僕の趣味には合わないようです。

 昨日から今日にかけて福岡年末恒例行事「年越しセッション」なるものに参加してきました。午前2時頃に店に着いて、知っている人がいないかと中を覗いていると、いましたいました。ハーモニカ吹いてたり、ギター弾いてたり。こういう場に来るのに一番楽しみにしているのが、こういう再開です。数年来。

 セッションに参加して、または外から見ていて思ったことです。あまりビバップをやる人はいないのですね。昨年も参加したのですが、そのときはこんなことは思いませんでした。さびしい気もするのですが、こういうものなのでしょう。プロの方も参加する中に自分も混じることの出来る喜び、そして他人の演奏が徐々にわかるようになって来たことでうまれる失望。人生、色々あります。

 とにもかくにも大晦日。今年も色々ありました。逆に、何もなく平和な一年だったともいえます。お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。良いお年を。ではまた。

12/30

 今日は養生のため一日家で本でも読みながら音楽を聴いています。贅沢なひと時です。

 Elvin Jonesのドラムを初めて聴いたときはぶっとびました。驚いたのですが、感動したというよりも、良さも悪さもわからぬままとりあえずドラムの音だけがしている感じでした。リズムが正しく流れているのかどうかもよくわからなかった上、エルビンが参加している作品にはいくつか明らかに怪しいところでピアノが入っているものがあり、とりあえず迷惑なドラマーなのだと思いました。

"Eclypso" by Tommy Flanagan

"Please Send Me Someone To Love" by Phineas Newborn

↑たとえば、こういった作品です。

 よく聴いてみるとわかりやすいところにシンバルでマークを入れるようなところがあったりします。かと思うとフェイクのように感じさせるところもあったり。一体何なんだエルビン。わかんねえよエルビン。助けてトニー。

 でも、ものすごい緊張感のあるドラムですよね。かっこいいと思うことは往々にしてあるのですが、何がどうかっこいいのかよくわかりません。わかるのではなく感じることが大事だということなのでしょうか。難しいものです。ではまた。

12/29

 本当の風邪をひいてしまったようです。これはイカン。しかし、家にいる時間が長いと音楽が沢山聴けるのです。今日はいつになく沢山聴きました。Chet BakerとかSonny Stittとか。Curtis Fullerのリーダー作を一枚丸々聞いたのははじめてかも。

 僕の知る数少ないChet Bakerの作品に"Chet"というものがあります。全体通してスローテンポで、落ち着くといえば落ち着く音楽なのでしょうが、バップ好きの自分としてはかきむしりたくなるというかなんというか。しかし、ただひたすら速いだけの音楽に耳を誤魔化されたときのような腹立たしい気分はなく、激しいスリルはないものの気分よく終わるのが好印象でした。

 このアルバムでは"You'd Be So Nice To Come Home To""You and the Night and the Music"をやっているのですが、これまたスローバラードとして演奏されており、とにかく、ひたすら暗い!のです。なんというか、取り返しのつかないことをしてしまった時のような気分になりました。別に、取り返しのつかないことなんかやったことありませんがね。なんというか、たとえです。たとえ。

 Bill Evansも参加しているこの作品。白人的なクールな印象を与えます。とりあえず良いと思います。夜一人で何か作業しながら聴くとかに最適では。ではまた。

12/28

 Wynton Kelly"Kelly At Midnight"という作品があります。これは秀逸!だと思います。一枚のレコードとして、最初から最後まで通して聴いてバランスよく組み立てられているように感じます。特に有名なスタンダードばかりを取り上げているというわけでもないのですが、一つ一つの曲もなじみやすく、サイドメンも充実しています。ジャズになじみのない人が聞いてもケリーの愛らしいピアノには取り付きやすいのではないでしょうか。おすすめです。・・単に私が昨日買ったから薦めるだけなのですが。いいものはいい。

 最近は2枚のCDを一枚にまとめて売り出しているものがあるようです。昨日購入したWynton KellyCDというのは、Paul Chambers"Go..."Wynton Kelly"Kelly At Midnight"を一枚にしたものでした。

http://www.oldies.com/ ←ここが出しています。

 他にも色々あるようなのですが、これが意外とリーズナブル。あまりお金が回らないといわれるジャズ界に申し訳立たないような気もするのですが、こちらも火の車です。燃え尽きそう。ではまた。

12/27

 ここ二日間、飲んだ上で朝方まで中州のバー「ブラックべリー」にいました。さすがに三日は昼夜逆転の生活は続けられないので、今日は帰りました。

 Herbie Hancockは最近では昔ほどの評価を受けていないのでしょうか?「今では挑戦心を失ってしまった」だとかなんだとか書いてあるのを見たことがあります。

 それだけHerbie Hancockが昔作った作品が優れていたということでしょうか。先日Wayne Shorter"Speak No Evil"を聴いていました。この作品から感じられる緊張感はHerbie Hancockの使うコードに起因するようです。ハービーがマイルスに「3度と7度は押さえるな」と言われたという話を聴いたことがあります。強烈ですね。もしもこの言葉がハービーの今を成す要因となったとしても、この言葉を実現してしまったということのほうが驚きです。3度と7度を抜いたら、一体何を押さえるんでしょう・・。

 最近ではファンクをやってる印象ばかりを受けるハービーです。もう60歳を過ぎてしまいましたが、これからなお目新しいものを見せてくれるとしたら、本当に本物ですね。期待したい。期待させてくれ。ではまた。

12/26

 昨日は明け方まで友人と飲んでいました。福岡は中州のジャズバー「ブラックベリー」というところです。そこで聴いたレコードでFreddie Reddの作曲の才を痛感したりと、大変楽しい一日でありました。

 Freddie Reddという人を僕はよく知りません。しかし、麻薬常習者を扱った"the connection"という映画(劇)で音楽を手がけた人物としては強く記憶にとどめています。作曲者としてより大きな才能を発揮した人物だったようです。おそらくビバップ期で言うところのTadd Dameronのような人物だったのではないでしょうか。

 the connectionといえば、Jackie Mcleanがまず思いつきます。本当の麻薬常習者(元、です)として出演した人物。今は麻薬撲滅運動をしているそうです。説得力、ありすぎですね。ではまた。

12/25

 昨日は友人たちと盛り上がってきました。そして明日もまた飲み会があります。下手をすれば今日も飲むことになるかもしれない。冬になると飲み会が立て込みますね。気をつけないといっぺんにお金が飛んでいってしまいます。まだまだ買いたいCDがあるというのに。

 Phil WoodsArt PepperCharlie Parkerに傾倒した演奏をします。Charlie Parkerがトランペットを選ぶオーディションの際にためらいなくChet Bakerを選んだということも聴いたことがあります。白人だ黒人だといった差別は当時のほうが現代よりも強かったはずですが、本物は、他がどうであっても認められるのですね。当たり前のことではあります。

 一方で「Phil WoodsArt Pepperの演奏はなんだか聴きやすい方向性を求めすぎる」という理由であまり好んで聴かない人もいるようです。僕にはまだよくわかりませんが、それは白人・黒人の音楽性に関係があるのでしょうか。興味深いところです。

 日本人はやたらと暗い曲が好きですね。これは多分日本人の音楽性でしょう。雅楽だったり三味線だったり琴だったりを聴いてなんとなくそう思いました。だから日本は雰囲気まで暗くなるんでしょうか。やだやだ。ではまた。

12/24

 クリスマスイブということですが、こういう日こそジャズが大いに聴かれるべきなのではないかと思います。時にロマンティックな夜を演出する音楽、ジャズ。

 ロマンティックかどうかはおいておくにしても、昨日聴いていたOscar Petersonの初期の頃の演奏は、大変興味深いものでした。録音や流行の関係もあるんでしょうが、まだOscar Peterson特有のクリアなタッチだとか超絶的な技巧だとか言うものは聴かれませんでした。1940年代ですから、Oscar Petersonがまだ僕と同じくらいの年の演奏でしょうか。

 ビバップとその前世代の音楽を見事に融和してのけたと評価されるOscar Petersonがここから始まるのだ、と思うと興奮を抑え切れません。ビバップの持つ強い即興性を取り入れながらもスイングを常に忘れないOscar Peterson。今世紀最大のジャズミュージシャンの一人。なんてこった。

 本当に、いつも思います。何食ったらあんなに指が動くんだろう、と。年食ったら動く、というわけではなさそうですね。ではまた。

12/23

 Wynton Kellyのピアノの魅力は、あの軽快さと聞き手をあきさせない語り口でしょうか。決して新しいことをむさぼっているわけではなく、しかし新しい音を生み出し続けるというか。僕の耳には大変新鮮な調べでした。いや、新鮮な調べです。今の僕にとっても。

 初めて聴いたのは4年ほど前でしょうか。パタパタとぎこちなく鍵盤をたたいているように聴こえ、それが彼の意識的産物であると信じ切れずにいました(実際どうかということは別にして)。ケリーが掘り返したのはよその畑でもなければ自分の畑の隅でもないように思われます。掘り方を少し変えただけなのでは。ほんの少しの聴こえ方の違いが彼の演奏の魅力を成しているように思われます。

 Wynton Kelly12歳くらいからプロとして活動していたようです。とびぬけて天才的だったかどうかはわかりません。とりあえず弾ける、くらいだったのかもしれません。しかし、確かに、このピアノストは熟達した演奏を若くして手に入れることが出来たはずです。サイドメンとして好んで起用されたのはこのためでしょうか。初期の演奏が残っていれば、聴いてみたいものです。

 なんだろうなんだろう、と思っている間に夢中になるこの不思議さ。不思議ちゃんが日本に蔓延していることに通じるものがあるのでしょうか。どうでもいいですね。ではまた。

12/22

 なんとなく気が向いてJohn Coltraneを聴いています。なんでだかわかりません。とりあえず聞いてみたい気分になりました。そして今強い感銘を受けています。John Coltraneはこんなにも良かったのか。演奏の中に漂う緊張感とペンタトニックを強く感じさせるコルトレーンのフレーズはJohn Coltraneという音楽の始まりを感じさせます。最後にはフリージャズに到達してしまう彼の音楽の一部始終を見届けてみたい気分にまでなります。ハマってみようか。うん。

 僕の好みとしてはあまりコルトレーンは好きじゃないのです。はっきり言って、荒いと思います。彼の演奏は。熟達の生む安堵感とか、心が洗われるようなストーリー性をあまり感じません。ただ、その一方でものすごく強い音楽的な広がりを感じるのも事実です。まだまだこんなもんじゃないんじゃないか、もっと見せてくれ、と思って已みません。自分が考えていることが一般心理として妥当かどうかは甚だ怪しいところですが、今ここで僕がコルトレーンに魅力を感じ始めていることだけは確かです。

 好きになるかどうかは別にしても、すべてのミュージシャンの魅力を一つ一つ見つけ出すことができたらどれだけ自分の感じる世界が広がることか。考えさせられるところが多くあります。ではまた。

12/21

 昨日はイイ気分で飲んで朝方家に帰ってきました。

 中洲はブラックベリーに行って、買ってきたCDらをかけてもらいました。家のチンケなスピーカーで聞くのとは大違いですね。特に遠くから響いてくる感じは狭い自分の部屋では味わえないものがあります。飲む目的ではなく、好きな音楽を違った雰囲気で聴きに行くという目的でジャズバーに行くというのも一つ赴き深い物だと思います。おすすめです。

 クリスマスが近いですね。好きな音楽に興じるのも良いものではないでしょうか。ではまた。

12/20

 いやあ、試験終わりました。万歳。正月明けまでのしばらくの間、ゆっくり過ごそうと思っています。アルコール漬けになって指が震えてピアノ弾けなーいなんてことにならないように注意しておかないといけないですね。

 昨日また沢山のCDをかいました。Charlie Chrstian "Genius Of Electric Guitar"Bud Powell "Blues In The Closet"Horace Silver "The Baghdad Blues"Ramsey Lewis " The 'In' Crowd"4枚です。今回注目すべきはRamsey Lewis"The 'In' Crowd"ですね。

 Ramsey Lewisについてはあまりよく知らないのですが、どちらかというとブルースとかR&B、ファンクに近いピアノを弾く人だという印象があります。ジャズらしいジャズをやってるかどうかはよくしりません。実際、僕が今回買った"The 'In' Crowd"も、ビバップとはかけ離れたものです。軽いノリ、緊張感のなさをついつい見出そうとしてしまいます。しかし、そういったことを抜きにしたかっこよさがこれにはあります。なんだか良くわからないけど、かっこいい気がする。そんないい加減な理解ですが、それでも買おうと思うには十分すぎる動機でした。

 第一、アドリブが少ないからジャズじゃないなんていってたら、昔のジャズ聴けないですね。かっこいいと思えばそれでいい。そんな気がします。ではまた。

12/19

 Lou Donaldson"Lou Takes Off"というCDを買いました。買った理由は・・ピアノがSonny Clarkだったからです。いやそれだけではないですよ。あと"Groovin' High"をやってたからでもあります。いや、あんまり深い理由は必要ないんですよ。金があれば買っちまえばいいんす。うん。ないけど。

 なんだか、社会情勢を大きく反映した作品なんでしょうか?このアルバムではスプートニクとかいう曲をやっているんですが、これってロケットかなんかの名前ですよね?あやしい。これはなんかあるでー。ほな、やまちゃん、捜査を始めまひょ!

 この作品は、正直、期待していたほど良くはなかった気がします。最近パーカーばかり聴いてたんで期待が変に膨らんでたんでしょう。ルードナルドソンのシンプルだけどでも全体をぐいぐい引っ張っていくようなドライブ感のある演奏は大好きです。同じテンポでも、体感速度ではないですが、演奏によって耳に入ってくる音の印象はずいぶん変わるもんですね。かっこいい。

 もうすぐ正月ですね。冬の間に親戚行脚して今年一年で使った消費税を還元してもらおうかなあと思っています。それで、またCDを買います。何を買おうか。とりあえずAl HaigとかTommy FlanaganDuke Jordanのような地味なバップピアニストの作品を買おうと思っています。何かいいやつがあったら教えてください。ではまた。

12/18

 ジャズ界にはブルース、R&Bの世界から来た人が少なからずいます。Junior Manceはもともとブルースピアニストで、Phineas NewbornR&Bの仕事をしていたそうです。つよいブルースフィーリングやゴスペルライクなフレーズはそこから来ているんでしょうか。ちなみにBobby Timmonsは教会のオルガン奏者である祖父の影響を強く受けたんだそうです。由来は様々あるとしても、非常に強い黒人音楽の色が彼らの演奏の一つの大きな魅力となっていることは間違いないでしょう。黒人万歳。

 一方、ジャズミュージシャンでありながらブルースやR&Bのレコーディングに参加している人も多々います。ジャズに金のなる仕事がなければ他で探して食いつなぐしかない、ということでしょうか。望む、望まないに関わらず。実際、「あなたはこのアルバムに参加していたのですね。」とR&BCDを差し出して本人に直接聞いた某店主はいやな顔をされたとか。思い出したくない記憶だったのでしょうか。難しいところです。

 関係ないですが、ブルースミュージシャンであるRay Charlesがジャズ(とはいってもやる曲はやっぱりブルースですが)をやってるアルバムは結構いい感じでした。ブルースは聴きませんが、やっぱりかっこいいもんは誰が聞いてもかっこいいんでしょうね。ジャンルを越える何かがあるからこそ名演・名手なんでしょう。素晴らしいことです。

 ジャズやめてブルースやろうかなっ。うそです。ではまた。

12/17

 Clifford Brownはビバップの夜明けに一役かった人物の一人のはずです。若くしてなくなったこのトランペッターは、しかし、50年間以上活動を続けた他のどのミュージシャンよりも大きな影響力を持っていたともいえるのかもしれません。いい加減な物言いですね。すみません。つまり何がいいたちかというと、僕が今聞いている"Clifford Brown & Max Roach In Concert"は最高だということです。別にこの作品に限らずです。ジャズの表舞台に立ってから本の数年でなくなった彼が残した作品はいずれも名作ぞろいだと聞きます。

 Clifford Brownは自動車事故でRichard Powellと一緒に死んだんだそうです。リッチーパウエルと一緒に死んだかどうかっていうのはどうでもいいことなんですが(個人的にです)、自動車事故で死んだというのは悔やまれてなりません。歴史を語る際にもしもなんていう言葉は禁句だそうですが、「もしも」を言いたくなります。

 もしもクリフォードが自動車事故で死ななかったら、今年Blue Noteに来たかもしれないのに。なんとなく。ではまた。

12/16

間違って消しちゃった・・。

12/15

 今Horace Parlan"us three"を聞いています。このHorace Parlanという人は小児麻痺で右手が自由に動かないと聞きます。だからといって、別にお情けで評価が高くなってるというわけではないでしょう。僕は長いことこの人が小児麻痺であることを知らずに"us three"を聞いていました。なぜでしょう?かっこいいからです。

 Horace Parlanは確かまだ生きていますね。一度くらい演奏を生で聴くことが出来るんでしょうか。つい先日Ahmad JamalBlue Noteに来たのをみすみす逃してしまったばかりだけに、不安です。こういうことを言うと縁起でもないかもしれませんが、ジャズミュージシャンなんていつ死んだかわかったもんじゃありませんから。一昔前ほどじゃないかもしれませんけど。「ヘロインの過剰摂取のため死亡」とか。

 テスト勉強をしなくては。ではまた。

12/14

 気がついたらもう昼でした。規則正しい生活を保つはずの僕としたことが。不覚。

 夕方までは我慢していたのですが、我慢できずついつい音楽をかけてしまいました。例の、アレです。足をバタバタ鳴らしてリズムをとり、鼻歌交じりに右手でソロを取る、あれです。やってしまいました。

 今日聞いたのはCharlie ParkerRecording On Savoyとかいうやつです。コンプリート版も持っている今わざわざレコードをMDに移したものを聞く必要はないのですが、今日はなぜかそっちでした。別に、大したこだわりはないんですがね。聞き始めるとやはり歌い始めてしまいまして・・大変でした。挙句の果てにSide BKOKOという曲のテーマのコピーまで始めてしまいました。コード進行は多分Cherokeeと同じなので意外とすぐに済んだんですが。いい曲ですね。

 Charlie Parkerって、もともとあった歌物にリフ作って新しい曲にしてるのが結構あるんですが、誰一人としてそれをパクリ扱いしないんですね(僕の知る限りです)。つまりもともとあった曲についての自分の解釈がそれ自体完成品として認められているということでしょう。実際、聞いてて、そのソロの説得力というか、文脈とか前後関係とか、まるで書き譜にして用意してあったみたいな整然とした印象を受けます。しかもアドリブの持つスリルも損なっていないという。最高ですね。

 そういえば、このレコード、途中でDizzy Gillespieがピアノ弾いてるんです。なんか聞くところによるとガレスピーはMiles Davisに「トランペッターはピアノを弾かないといけない」と、ピアノを教えたそうです。何ででしょう。ピアノがコード楽器であることが重要なんでしょうか。よくわかりませんね。でもたしかKenny Dorhamもピアノ弾いてる作品があるんですよ。ガレスピーの影響なのか。ちょっと気になります。

12/13

 日記でもつけますか。

 今日はまずPhineas Newborn Jr."Please Send Me Someone To Love"を聴きました。フィニアスって、いろいろあって初期の超絶技巧的な演奏がなくなってしまってるらしいんだけど(僕は、そうかなぁと思うのです)、やっぱかっこいいです。昔と比べてタッチが深いのか?なんだか柔らかい感じです。途中でElvin Jonesがぼかすかやってめちゃくちゃになってた曲があった気がしました。Side Bだったかな?フィニアスがわからなかっただけかもしれないけれど。どちらなのか、僕にはわかりません。でも総合的に見てかっこよければ名盤なんでしょうね。もちろん総合的に見てかっこいいと思ったんですが。Oscar Petersonに認められたくらいですから。「次はオマエだと思っている」なんて、Art Tatumに言われた言葉を次はフィニアスに向けているんです。大変評価していたということですね。うらやましい。

 続いて表と裏で半分ずつArt TatumErroll Garnerがやってる"Giant Of Piano"というレコードをMDで聴きました。Art Tatumはバリバリ弾きまくってました。人によってはこれがこたえるのかもしれないですね。この作品に関して言えば比較的聞きやすいんじゃないかと思いますが。今日僕が何よりいいと感じたのは、ベースのSlam StewartとギターのTiny Grimesの演奏です。ビバップ以前の音楽だけに多くの人に理解してもらうことは難しいかもしれないけれど、スイング時代のフレーズにのせて伝わってくるものは古き良き時代だけのものではありません。使うフレーズの幅が狭いだけに?絶妙です。よね、多分。勝手にそう思ってます。まあ要するに僕はスキなんですよ。ああいうのが。

 今学校のテストがあってます。勉強している後ろで音楽流してると、左足でリズムとって鼻歌歌って、もう勉強どころではなくなってしまいます。だから本気のときは音楽禁止。やりすぎて左足がつったりするし。だめじゃん。「ベース誰だっけ」とか思いついて調べだしたりすることもあるし。覚えとけよ。いや、そういう問題じゃないか。Keith Jarrettなんて聴いてるときは、DVD思い出して立ち上がったり座ったりしてみたり。バカか。まあバカですが。バカですが何か?

 だって勉強より楽しいもん。ではまた。