Fletcher Henderson

Fletcher Hendersonは1897年12月18日、ジョージア州カスバードに生まれた。
1924 年には10人編成のビッグバンドで演奏しており、同年の夏にはローズランド・ボールルームに演奏の仕事を得た。当時のバンドにはColeman HawkinsやDon Redmanといったメンバーが所属していた。また、当時シカゴで活動していたLouis Armstrongにバンドに入るよう勧め、9月に入団、バンドに大きな影響をもたらした。1925年11月に退団後も、バンドはソロイストの充実と編曲 の改善を行い、1930‐40年代にかけてのスイングジャズに標準的な演奏スタイルを確立するに至った。1920年代にはその他多数のメンバーが所属し、 Ben Webster、Chu Berry、Benny Carter、Buster Bailey、Rex Stewart、Red Allen、Bobby Stark、Roy Eldridge、Claude Jones、Benny Morton、Walter Johnson、Sidney Catlett、Joe Smith、Jimmy Harrison、Charlie Greenらが在籍した。
1952年12月29日、ニューヨークで亡くなった。

Duke EllingtonやBenny Mortenらがビッグバンドジャズに乗り出す数年前にすでにビッグバンドジャズの形式を確立していたことで知られる。
1920年代にはまだバンドがオリジナルを作曲編曲して演奏することが一般ではなかったが、Louis Armstrongの加入の影響などから所属メンバーが啓発され、特にDon Redmanは編曲の仕方を根本的に改めたという。
Fletcher Hendersonは中流家庭育ちの温和な性格であり、バンド面の統率力にかけ、ビジネス面での能力にも欠けていたため、商業的な成功には恵まれなかった という。また、Fletcher Hendersonのバンドのアレンジを導入し一層洗練され整然とした演奏を行ったBenny Goodmanは大成功しており、黒人の創造を白人が利用して成功した例として大和明氏が指摘している。

参考文献
1. Jazz Masters Series Fletcher Henderson (BVCJ-37171), ライナーノーツ, 大和 明. 2000