Elmo Hope

本名St. Elmo Sylvester Hope。1923年6月27日に生まれた。Bud Powellは幼馴染である。愛称としてMoと呼ばれる。

1953年よりNew YorkでSonny Rollins、Lou Donaldson、Clifford Jordan、Jackie McLeanらを加えてのリーダー録音を数作に渡り行ったが、薬物使用のためキャバレーカードを失い1957年よりLos Angelsへ移った。Losへ移る前はChet Baker、移った後にはLionel Hamptonと演奏活動を行っており、LosではHarold Land、Curtis Counceらとのレコーディングを行っている。また、リーダーレコーディングとしてFrank Foster、John Coltrane、Hank Mobley、Art Blakey、Paul Chambers、Philly Joe Jonesとの演奏も残っている。West Coastのジャズシーンに失望し再度New Yorkへ戻るが、薬物に溺れ、1967年に薬物の過剰摂取のため亡くなった。

Bertha Hopeは妻であり、1958年にLos Angelsで出会い、1960年に結婚している。1962年にはデュオでの録音"Hope-full"を残している。Bertha Hopeは美しく才能能ある女性ピアニストとして知られ、音楽的に大変不遇な一生を送ったElmo Hopeを語る際に「彼の人生を顧みるにBerthaと結婚したことが彼にとって唯一のHopeであったと言える」と記載されたことさえある。妻の BerthaとしてもElmo Hopeの演奏が広く理解されるものでないことはよくわかっていたようであり、「彼のコンセプトは少しだけ常軌を逸脱しているし、その美しさが表出される のにはさらにもう少しの時間がかかる」と言っていたそうである。Elmo Hopeを良く知る友人の一人であるJohnny Griffinは、ベーシストとドラマーにはElmo Hopeの音楽についていけるものがほとんどいなかったと話したらしい。その結果、Hope-fullというソロ+デュオのアルバムが作られるのに至った といういきさつだそうである。Hope-fullにおいては1台のピアノを二人で弾いている。(Hope-fullライナーノーツ参照)

Frank Hewitt、Sacha Perryといったビバップピアニスト達に多大なる影響を与えた人物であるが、称して大変な奇人であったと言われることがも少なくない。Elmo Hopeに理解の深い人たちはThelonious MonkやBud Powellといったピアニストと比較するが、一般にはHerbie Nicholsと比較されることの方が多い。

Sacha PerryはElmo Hopeを非常に敬愛しており、近しいミュージシャンはSacha Perryの口からElmo Hopeの名を聞くことが多かったという。

Kurt RosenwinkelはElmo Hopeを指して「偉大で素晴らしい作曲者であったとともに、アメリカの秘める秘宝だ」と話したという。

参考文献 wikipedia (http://en.wikipedia.org/wiki/Elmo_Hope)

Bertha Hopeは1936年11月8日にLos Angelsに生まれた。3歳ごろからクラシックピアノを始め、12‐13歳ごろまでやっていったん止めたのち、16歳で再開している。Bud Powellのレコードを聴きジャズに興味を持ち、1950年代にLos Angelsにあるthe HaigにBud Powellの演奏を聴きに行ってから本腰を入れてジャズを始めた。Elmo Hopeと出会った当時、BerthaはLos周辺で活動していた。(Hope-fullライナーノーツ参照)

Bertha Hopeは1991年に、Elmo Hopeの曲を集めたアルバム"Elmo's Fire"を録音している。


meditations

1. All the Things You Are 2. I Don't Stand a Ghost of a Chance With You 3. Falling in Love With Love 4. Quit It 5. Hua 6. My Heart Stood Still 7. It's a Lovely Day Today 8. I'm in the Mood for Love 9. Lucky Strike 10. Blue Mo 11. Elmo's Fire

piano: Elmo Hope / bass: John Ore / drums: Willie Jones

recorded in 1955. Prestige

Hope-full

1. Underneath 2. Yesterdays 3. When Johnny Comes Marching Home 4. Most Beautiful 5. Blues Left and Right 6. Liza (All the Clouds'll Roll Away) 7. My Heart Stood Still 8. Moonbeams

piano: Elmo Hope, Bertha Hope

recorded in 1962. Riverside


 Elmo's Fire

1. Low Tide 2. Mirror-Mind Rose 3. Bai Tai Blues 4. For Duke And Cannon 5. Ballarosa 6. Luna Negra 7. Elmo's Fire

piano: Bertha Hope / trumpet: Eddie Henderson / tenor sax: Junior Cook, Dave Riekenberg / bass: Walter Booker / drums: Leroy Williams

recorded in January, 1991. Steeplechase.

サイドメン作

Lights Out / Jackie McLean