2008年-2009年

 

12/29

 Sadik HakimはもともとArgonne Thorntonという名前だったのを1940年代に改名してSadik Hakimとしたらしいですよ。つまり、改宗したということなんだろうか?Sadik Hakimはビバップの時代に活躍したピアニストですが、実は少し古い人みたいですね。

 Clyde Hartというピアニストがいますが、この人もCharlie Parkerのレコードに名前があるものの、スイング時代にLester YoungやColeman Hawkinsらと共演していたベテランプレイヤー。

 Savoy時代のCharlie Parkerの共演者をお浚いして、一人一人調べてみました。古い人はよっぽど有名でなければ音源探しで難航します。ではまた。

12/13

 T.S. Monkの"Monk on Monk"は愛聴盤の一つなのですが、最近までそのパーソネルをちゃんとチェックしておらず、前々から気になってしょうがなかったピアニストの名前を見てみてびっくり。Herbie Hancockでした。非常に地味だけれども堅実に、練りこまれたピアノを弾く人だなーと思っていたら、なるほど。

 小さな発見ですが、喜びです。ではまた。

11/24

 Art Blakey and the Jazz Messengersの"Caravan"はすごくいいですね。実は、多管編成の濃い感じが苦手で、とりあえず一通り聴いたもののそこまで頻繁に聴くこともなく、最近ではほこりをかぶったような状態でしたが・・。

 音符の印象だけだと暑苦しくないはずですが、そこはArt Blakeyのこのバンドならではの熱気が命を吹き込んでいるというか、なんせ熱いですよね。Jazz Messengersのメンバー変遷もちゃんと調べておく必要がありそうですね。そのうち表にまとめてアップすることにします。

 寒い。ではまた。

11/22

 最近発見したBobby Fewというピアニスト、フリージャズによく顔を出しているようなのですが、どうやらリーダーアルバムもある。Bobby Few "More or Less Few"、"Few and Far Between"は数少ないリーダー作。他にはBooker ErvinやArchie Shepp、Steve Lacy、Albert Aylerなんかのアルバムに参加しているようです。この人、気になるなー。

 Steve Lacyとの共演はちょっと良さそうな感じですよ。なんといってもSoprano saxなのでどうかと思ったのですが、これはなかなか・・。Steve Lacyの"Anthem"という作品で共演してるようなので、買ってみることにします。

 演奏スタイルの説明は難しいですが、いわゆるビバップのレンジの広いリズムが基礎にあって、おそらくCharles MingusやEric Dolphyらの音楽に根ざしているものが強いと思うのですが、実際にやっているのはAlbert Aylerがやっている様なフリーであったり・・と、よくわかりませんね。もうちょっと勉強します。

 冬です。ではまた。

9/5

 ここに書いておくのをすっかり忘れていました。先日、福岡の老舗ジャズ喫茶であるComboが閉店(姉妹店であるNew Comboは営業しています)、最終日に突撃してきたのでした。わがままと思いつつWalter Bishop Jr.の"Soliloquy"をかけてもらい、同店最後の時間を満喫させていただきました。みんながいつまでも残っていて欲しいと思うお店も、福岡の持つジャズ人口では母集団が小さすぎて存続が難しいのかもしれません。僕自身、ライブを中心にやっているお店にはそれほど頻繁に顔を出すわけではないので。ジャズに絞る、というのが時流に合わないんでしょうか・・寂しくなります。

 こんな気分の日はJaki Byardに限る。ではまた。

8/29

 Up, Jumped SpringというFreddie Hubbardの曲がありますが、なんともセンスのいい曲名ですね。まさかFreddie Hubbardの曲だとは思いもしませんでした。他にもSonny RollinsのValse Hot、Jim HallのWaltz Newなど有名なリフを持つワルツはありますが、これが一番好きです。たまたまWalter Bishop Jr.の"Soliloquy"の一曲目に入っていたこともあって最近はよく耳にします。他に入っているアルバムは、まだ持たないようです。次はFreddie Hubbard本人の演奏を聴いてみよう。

 Earl Hinesの"Once Upon a Time"というビッグバンド演奏のアルバムが面白いです。ドラムはElvin Jones。あのままのスタイルで昔ながらの黒人系ビッグバンドジャズをやっています。言葉にするのが難しいのですが、手堅いシンバルレガートの中で一瞬直線から離れるようなElvin Jonesのドラムが、多人数編成ならではのタイトな演奏の中で栄えるような印象です。彼らにとっては編成なんて大して関係ないんでしょうが、耳新しいのもあって興味惹かれます。

 手堅いドラムと言えばVictor Lewisというイメージです。"Know It Today, Know It Tomorrow"というリーダーアルバムが気になるので、そのうち買ってみよう。こちらはまた後日。ではまた。

8/25

 Youtubeで探すとRandy Westonの動画が沢山落ちていることに気付きました。Randy Westonはある意味洗練されたピアニストですが、一つの方向性に磨きぬいた感があり、どうしても「そういうもの」として聴かざるを得ない側面があります。それが好きだから僕には関係ないですが、嫌いな人はとことん嫌いになるかもしれません。

 先日、ふと気になったのですが、Cecil Taylorはどうやって生活しているんでしょうか。ライブパフォーマンスだけで十分生活していけるのでしょうか。有名人には違いありませんが、気になるところです。ではまた。

8/9

 なんとなく、Herman Fosterの"The Explosie Piano of Herman Foster"を聴いてみています。Herman Fosterという人のピアノは音楽的に非常に深いのかと言われるとその独特な演奏スタイルもあってか他の有名なミュージシャンと比べて少し見劣りするようなところがないわけではないのですが、表現の幅が広くてあっという間に夢中で聴いてしまう不思議なピアノです。ピアノと言うよりはオルガンを弾くような感じに聞こえることが多いですね。

 Herman Fosterの葬式には参列者が2人しかいなかったとかそんな話を聞いたことがあります。いくらなんでも寂しいですね。共演してたミュージシャンも、行かなかったんでしょうか。「どうせ目が見えないからわからない」とでも思ったんですかね。素晴らしいミュージシャンにはせめて奇麗な最後を飾ってほしいと思います。

 Ari Hoenigの"Kinetic Hues"というDVDが欲しいのですが、これがなかなか見つかりません。直接海外から取り寄せたら比較的安価に手に入るのですが。ちょっと警戒してしまいます。何か情報がありましたら、教えていただけたら助かります。ではまた。

7/18

 Charles Mingusの曲に、"Orange was the color of her dress, then blue silk"という曲があります。これは以前、大西順子の演奏を耳にして強く記憶に残っているのですが、なぜか今になって物凄く聴きたくなってきました。そういうわけで、Charles Mingusのもとの演奏を探してみたところ、そのものズバリ"Orange was the color of her dress, then blue silk"というアルバムがありました。また、Eric Dolphyの"In Paris, 1961-1964"というDVDにも収録されているということで、機を見て購入しようと思います。

 実はCharles Mingusはほとんど聴いたことがありません。リーダー作は、"Mingus Plays Piano"と"Mingus Three"しか知らない。これから少しずつ開拓していきます。

 いよいよ真夏に突入ですが、夏と言えばAndrew Hillをどうぞ。"Judgment"、オススメです。ではまた。

7/15

 Gigi Gryceの"Nica's Tempo"は何年も前からお気に入りの一枚ですが、ここにきてやはりこの作品が素晴らしい!と思わずにいられません。なんなんでしょうね。

 Gigi Gryceはどちらかというとアレンジャー色の強いプレイヤーですが、"Mal-1"でもバランスの良い演奏をしていて、とてつもない力でぐぐっと人を引き寄せるようなプレイヤーではないものの、こちらに全く負担のかからないような自然な演奏をしてくれます。とはいえまだまだ勉強不足なので、もう少し色々買ってみようと思います。

 掲示板を修理しましたので、気が向いたら何か書いてみてください。ではまた。

7/11

 Terence Blanchardの"Jazz in Film"が届きました。メンバーもJoe Henderson、Kenny Kirkland、Steve Turre、Donald Harrisonと豪華ですが、もとが映画音楽だということもあってアルバムとして聴きやすい上に、それをガッチリした普通のジャズとして演奏しているので非常に良いです。ベースのReginald Vealという人は初めて聴いたけど、すごくいいなあ。ちょっと教科書的な感じもしますが。初めて聴いた名前なのにこいつすごいな、と思う機会が多いのは僕がよく知らないからでしょうか。ドラムはCarl Allen。

 Carl Allenといえば、10年くらい前はBenny GreenとChristian McBrideとトリオで大活躍してましたね。コンスタントなトリオとしての活動に終止符がうたれたのはBenny Greenの"Kaleidoscope"が出る前頃だったと思いますが、Carl Allenが周囲からの「Benny Green Trioのドラマー」と称されるのにうんざりだったからだと書いてありました("Kaleidoscope"のライナーノーツだったように思います)。僕はもったいないと思うのですが、本人たちからするとそんな問題ではないのでしょうか。

 次はDave Liebmanでも買ってみよう。ではまた。

6/30

 Hank JonesとTomy Flanaganの"Our Delight"が心地良い。この二人とあってはとりたてて派手な演奏を期待するべくもないのですが、まるで一人で演奏している様なバランスで気負いなく聴くことができます。マイクが違わなかったら二人を区別できなくなるかも。

 全盛期のCharles Thompsonはどんな演奏をしていたんだろう。ふと気になりました。ではまた。

6/19

 先日購入したT.S. Monkの"Monk on Monk"が意外と好きで、最近毎日聴いています。そんなに趣味というわけではないはずなのに。T. S. MonkはThelonious Sphere Monkの略称で、その名の通りThelonious Monkの息子です。ドラマーとしては有名な人らしい。

 面白いCDに飢えております。ではまた。

2009 6/8

 CDは増えておりますが、今ひとつ自分の趣味に合うものが見つかりません。Norman Simmons "The Art Of Norman Simmons"はすごく良かった。しかし、歴史を感じる古いスタイルのジャズではあっても硬い感じのするバップではないので、どこかガラス越しに聴いている印象を拭えません。その点、Randy Westonは好き!"Zep Tepi"というアルバムは今でもお気に入りの一枚です。

 黒人ジャズではないですが、Bill Charlapの"Live at the Village Vanguard"を買ってみたところ、意外と好きでした。軽い感じがするのがどうにも気になるところですが、白人ジャズを敬遠しがちな人には是非とも聴いていただきたいところ。メンバーもPeter Washington、Kenny Washingtonと協力。

 今度はピアノ以外も買ってみよう。Terence Blanchardの"黄金の腕"を買う予定。映画の曲ばかりを集めた一枚?本人の作曲?詳しくはよくわからないですが、面白かったらまた報告します。ではまた。

11/9

 お久しぶりです。前回からかなり大量にCDを購入したのですが、多すぎるので紹介し切れそうにありません。その中で気になったものを少しずつ時間のある時に挙げていくことにします。

 Mel Rhyneの"Stick to the Kicks"というアルバムはすごくいいです。Mel Rhyneのアルバムだから外れはないだろうと思っていたのですが、ホーンセクションにRyan Kyser、Eric Alexanderを加え、シンプルなMel Rhyneのスタイルに華を添えているというか、他のアルバムと比べて豪華な仕上がりになっています。いつものメンバーPeter BernsteinとKenny Washingtonは言うに及ばず。一押しのアルバムです。

 今日はここまで。ではまた。

5/31

 最近、今まで興味はあったが買うほどではない、くらいのCDを買い続けています。Art Pepperの"Intensity"に参加しているDoro Coker 、Martial Solal "At Newport"、Michel Legrand "At Shelly Manne's Hole"、Randy Weston "How High The Moon"、Marian McPartland "Timeless"、Pat Moran "This is Pat Moran"。

 Doro Cokerはかなり好感のもてるピアニストでした。白人系ジャズピアニストは嫌いな人も多いのですが、この人はJimmy Rawles同様もう一枚二枚買ってみようかなと思わせるものがありました。プレイそのものはかなり大人しくて、リズムにも少し深みを持たせた感じですよ。さくさくし過ぎない感じが好きでした。でも、もしかしたらArt Pepperの"Intensity"がいいのかも。やっぱり検討の価値ありです。

 Martial Solalは弾き過ぎの印象が否めないですが、同じことがMichel Legrandにも言えます。ぱらぱらと沢山弾くのは正直あまり好みじゃありません。Michel Legrandは映画音楽を手掛けていることで有名ですね。どちらかというとその印象が強くて、プレイヤーとしての活躍はあまり知られていないのかもしれません。アルバムを探したら結構あったのですが。

 Randy Westonの"How High The Moon"はそんなに好きなアルバムじゃなかったですが、Randy Westonは少し前に買った"MarrahKkesh"が結構好きだったので、もう少し掘り下げてみようと思ってます。1950年代には音楽性の模索が始まっている様に思われるのですが、どうも演奏に個性が弱いというか、インパクトに欠ける感じがあります。年代を追って聴いていく必要があるな・・もう少し時間をかけてアルバムを探していこうと思います。

 Pat MoranとMarian McPartlandについてはまた後日書くつもりです。いっぺんに書くには内容が多すぎですね。だいぶ時間を使いました。ではまた。

5/3

 社会人一年目、苦労しながらもなんとか生きております。

 最近、今まで気にはなっていたけど買っていなかったCDを少しずつ買い始めました。全然聴いたことがないから選びようがなかったけど、まずはHarold Harrisの"Here's Harold"、Jimmy RowlesとZoot Simsの"If I'm Lucky"を買ってみました。

 Harold HarrisはGene Harrisと系統が近いですが、Gene Harrisと比べると全体的に荒い感じがします。リズムが端整な印象を受けないのが残念でした。このアルバムだけかもしれないから、もう何枚か聴いてみようと思います。

 一方Jimmy Rowles "If I'm Luckey"は非常に端整です。Zoot Simsとの組み合わせがすごくいいんですが、綺麗すぎてちょい寒いです。録音が1977年で比較的新しいことを考えると、Jimmy Rowlesは終生昔ながらの演奏を貫いたのかもしれませんね。1996年に亡くなったそうです。にしても、Jimmy Rowlesという人はなんか面白い演奏をします。バップ以前の白人プレイヤーだから全然注目してなかったんですけど、晩年のやつも聴いてみようかなーと思いました。

 3ヵ月ぶりの日記ですが、これからも色々書いていこうと思います。ではまた。

2008 2/3

 次にいつ更新できるかわからないので、今のうちに。

 Horace Tapscottの"In New York"というアルバムを買ってみました。全然聴いたことない人なんですけど、演奏からするとGeorge Cables、Ronnie Matthewsとかその辺りの時代の人なんだと思います。オーソドックスな演奏はちゃんとしてるし、シャキっとしたリズムもある。でも、まだこの辺りのマイナープレイヤーには馴染めないというか、聴かず嫌いの感が否めません・・なんか大味な感じがするので。もう少し勉強しようと思いました。

 ストレス発散のため、CDを他にも何枚か買ってみてます。Jaki Byardの"Here's Jaki"が楽しみです。あとRandy Westonも近いうちに届くはず。

 ハードディスクの整理をしていると、5年前の自分の録音が出てきました。ちょうど先輩とデュオで活動している時代のものなんですが、当時と今とでは自分でもびっくりするくらい演奏スタイルが違います。今聴くと、Oscar Peterson、Wynton Kelly、Sonny Clarkを強く意識したような演奏です。一人のミュージシャンのCDを時代を追って買っていくと演奏スタイルの変遷が面白いなんて言うことはよくありますが、まさか自分の録音聴いてびっくりするとは思いませんでした。実家に帰ったらもう少し遡って聴いてみようと思います。

 もうすぐ卒業です。ではまた。