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管理人:Yuichi Yamada


2023/1/4
Dick Katzの項目を更新しました。Dick Katzは古い時代の大変名高いピアニストという印象ではありますが、強いインパクトを持つプレイヤーというよりはバランスの良いハーモニーを組み立てる ピアニストという感じで、なんとなく鼻に付く感じがあり、好きになれずあまりちゃんと聴いたことがありませんでした。しかし、実際味のある面白いプレイ ヤーのようですね!"In High Profile", "3wayPlay"の2枚を早速注文しました。好き嫌いはともかく、まずはちゃんと聞いてみることから、ですね。
ところで、聴いてみた上で気に入ったアルバムとして、最近ではRoland Kirkの"Domino"があります。ピアノにAndrew Hillが加わっており、大変濃密な音楽をやっているアルバムという印象です。詳細な感想は後日こちらに書きたいと思います。ではまた。


2023/1/3
明けましておめでとうございます。一番最初にウェブサイトを始めたのが大学1年の時だったと思いますが、かれこれ20年たちます。仕事を始めてから随分更 新頻度を落としていましたが、いい加減真面目に内容更新を進めていきたいと思います。今回は、Michel Sardaby、Morris Nanton、Gene Caseyの項目を追加しましたが、とくにGene Caseyについてはウェブ上に情報が少ないため、ライナーノーツ等を手繰りつつ今後情報追加していきたいと思います。まずはAlbert Aylerのアルバムからですかね。
Morris Nantonは全体として西海岸っぽい軽い印象のピアニストですが、ソロのメロディーラインが非常に力強く、地味ながら非常に好印象なピアニストです。有 名なレコーディングの一つである"Roberta"はJerome Kernが楽曲提供した1933年のミュージカル作品であり、特に同作内で演奏されるSmoke Gets in Your EyesやYesterdaysは今でもなおジャズ・スタンダードとして弾き継がれている非常に有名なナンバーです。Morris Nantonのアルバム内にも収録されています。メンバーは、Morris Nantonのバンドで長年共演しつづけたNorman Edge、ドラムはCharlie Persipという組み合わせです。Charlie Persipって、The Eternal Triangleのドラマー!そう考えるとこのアルバムはまだまだ聴きどころがあるのかもしれない、もう少し掘り下げたいと思います。俄然、 Charlie Persipの方が興味が湧きます。ではまた。


2022/7/15
自宅のオーディオを色々いじりまして、改めて好きな音楽を聴いております。Kenny Barron "Invitation"は何を聴くためのアルバム化というとまさにLewis Nashですね。この時代にして硬質でリズムレンジの広いシンバルレガートは一段と強く耳を引くポイントになると思います。もちろんKenny Barronの達人ぶりも耳を引くところではありますが、それは特に楽曲Invitationの中になるかなと思います。正確無比という言葉はことジャズ のスイングを語る上では全く意味をなさないと思うのですが、とにかくポイントを突いた演奏であることには間違いがなく、Kenny Barronが主張するリズムには全く間違いがないと、そんな風に感じます。それにしても、50年代の古いピアニストばかり聞いていると、何とモダンなピ アノだろうか。新しく知的で整っていて、それでいて古いソウルを持っているとなると、何も批判することはないように思いますが、それでもなんだかもう少し こうしてほしい!と思ってしまうのは我が儘なんでしょうかね。こんな風に繰り返し喜びを感じられる音楽を作っている人なのだから名手と言われるのでしょ う。生きてさえいれば、そう思うのも贅沢で、コロナ期間に随分そういういミュージシャンが失われてしまったのは本当に損失だと思います。
続いてWayner Shorter "Night Dreamer"を聴いております。これは20年ほど前に中洲のBlack Berryというお店で随分聞いたアルバムですが、実は当方、Wayner Shorterはそれほど好きでもなんでもないです。ただ、この人のアルバムにはとてもたくさんの気になるミュージシャンが参加していて(今となっては当 たり前のことですが)、アルバムとしての完成度がひたすら高いということ、それに尽きます。しかしながら、改めて聴くと、まるでJohn Coltraneのリリカルなところを抽出したような表現や、エスニックで郷愁をそそるパッセージがとにかく魅力的ですね。こんな風にして音楽の趣味趣向 が変わっていくのだろう火、それとも間口が広くなっていくだけなのか。色々感じさせられる一枚ではあります。
とにかく一個人の中でもこれだけ議論を巻き起こす野であるから、広く社会に及ぼす影響やいかにというところですが、所詮ジャズですのでそこまででもないのでしょうね。だからこそ布教活動を続けていきたいと思うところではあります。ではまた。

2022/4/19
このコロナウイルス感染拡大の最中、本当にたくさんのミュージシャンが亡くなりました。コロナウイルス感染に関係して亡くなった方も、そうでないにせよ健 康を害して亡くなった方もいらっしゃいます。少しずつですが、亡くなったミュージシャンの最後と書き加えていきたいと思います。
ところで、当方の引っ越しの関係して、整理がてらCDやレコードを振り返ってかけてみている毎日です。久しぶりにBobby Timmons "Trio in Person"を聴いてみましたが、61年前の録音になるのですね。初めて聴いたときはまだ30数年前くらいだったので、特に昔の録音という感覚ではな かったのですが、今となっては大昔の音楽なのかもしれません。若き日のRon CarterとAlbert Heathがタイトに積み上げるリズムの上で、ダイナミックでちょっと大袈裟なリズムと、決して楽をして引いていなさそうな汗臭いピアノの音色が、それこ そ若さからくる勢いなのでしょうが、一球入魂という感じの熱さを感じさせてくれます。特にファーストアルバムということもあるので気合が入っているのかも しれませんが、粗削りでも応援したくなるような、感情を引っ張る音を聞かせてくれる、そんなところにこのアルバムの一番いいところがあるように思います。 これは本当に昔からずっと不思議に思うところで、上手い人は他にもっとたくさんいるのに、このアルバムはいつも自分の好きなアルバムであり続ける。毎日聞 いていたし、今でも毎日聞いて構わない。一体どうしてかは結局一生わからないのでしょうが、自分の中の何かを投影して見られるくらいは色んな情報を持って いるのだろうな、と思いながら聞いています。名盤と呼ばれるアルバムの不思議なところですね。自分以外の多くの人が、似たような感覚で聴いているのではないでしょうか。ではまた。

2021/12/11
Barry Harrisが亡くなったとのことです。コロナウイルス感染症により亡くなったとのことですが、もともと高齢でツアー先での入院の話などもありましたの で、遠くはないのではないかと思っていました。大変残念です。憧れのピアニストの1人でしたし、恐らくその最後の一人だったと思います。シンプルで確信に 触れる演奏であり、かつ共演した沢山のプレイヤーとまさしく共に演奏すると言えるような、包み込むような演奏スタイルが魅力的でした。シンプルでありかつ 包容力のある音楽性は、ある意味では究極の音楽スタイルであったと言えると思います。同時に、Bud Powellが途中まで作り上げた音楽の、一つの完成形であったとも思います。これからも一生聴き続けるであろう音楽の、偉大なる創造者に最大の敬意を払 い、お悔みとしたいと思います。
今日は大音量で"Two Trumpets"をかけています。Barry Harrisの参加しているアルバムとしては初期の録音の一つになるのではないかと思いますが、正直イマイチな感じです。改めて聴いてみて、「これって Hod O'Brienだったかな?」と思いパーソネルを見直したくらいです。(それは"Three Trumpets"だったわけですが・・) それはいいとして、Two TrumpetsといいながらJackie McLeanが入ったとたんにJackie McLeanのアルバム化する感じは、いつもの調子だな、という印象です。トランペットを聞くつもりで再生したら、結局"Sonny Side Up"を聴いてるような感じのインパクトのあるサックスサウンド。もちろんArt FarmerとDonald Byrdは素晴らしいのですが、なんともひどいというか面白い話。Doug WatkinsとArt Taylorの絶妙なバランスの上で自由に踊る感じが面白いですね。本アルバムではリズムセクションは控えめで、そういう意味でも結局Jackie McLeanのアルバム化しています。それをBarry Harris目当てで聴いているわけですね。変なの。ではまた。

2020/3.20
久しぶりの更新です。
Jackie McLeanの"Tune Up"と"Dr. Jackle"を買ってみました。このアルバムを買ったのは、Jackie McLeanを聴くためというよりは、LaMont Johnsonを聴くためで、"Demon's Dance"で不思議にフィットしたLamont Johnsonの雰囲気がこちらのアルバムではどうか試してみたいという意図でした。Lampnt Johnsonのプレイスタイルはというと、ポストバップ的なスタイルであって、Larry WillisやJohn Hicksといった60年代以降に活躍したプレイヤーに聴かれる、フレーズの仕組みはバップ的な雰囲気を残しつつも、Miles DavisやJohn Coltraneらのバンドが開拓していったモードジャズのコードワークやフレーズを取り入れ、その中間的な響きを軸として広い音楽に入り込んでいけるよ うにしたような、一世代前と比べると融通性に富むスタイルです。一方で、リズムの在り方はバップ期と比較してやや浅く平たい形になっていますが、その雰囲 気がたまらなく好きという人も実は結構沢山いるのをよく感じます。Lamont Johnsonは、全体の響きとしては個性的なのですが、フレーズが単調で一本調子なところがあります。バップ期で言うとSadik Hakimのような感じでしょうか。しかし、リズムのフロントに切り込むような攻撃的なバッキングは、60年代にバップスタイルから殻を脱いで次世代に羽 ばたいていこうとしているJackie McLeanのプレイスタイルに非常にマッチしていて、私はすごく好きです。今回聴いた両アルバムともレコーディングは1966年で、選曲はTune up, I Remember You, Little Melonaeなど50年代から演奏している曲も含まれており、アルバムとしてとても攻撃的なものではありません。しかしながら、上記のような過渡期の Jackie McLeanを楽しむためのアルバムとしてはとても良い作品だと思います。晩年のJackie McLeanの演奏を知っていればなおのこと楽しめると思います。ちなみに、ベースはScotty Holt、ドラムスはBilly Higginsです。ではまた。

2018/7/28
Bobby Timmonsは1974年に肝硬変のため亡くなりますが、つい先日購入した"Live at Connecticut Jazz Party"は1972年の録音ですので、亡くなる少し前ということになります。サックスはSonny Red、ベースはSam Jones、ドラムにMickey Rokerと豪華な顔ぶれのライブアルバム、内容も充実していてとても満足です。Sonny Reddはコルトレーンを彷彿とさせるような野太い深い音でシンプルに演奏し、Sam JonesとMickey Rokerがこれをぐいぐいと前に引き出している感じでしょうか。屈強なリズムセクションに下支えされた心地よい音楽です。Bobby Timmonsはと言うと、まだ病魔に蝕まれる前ということでしょうか、全盛期そのままの演奏を披露してくれます。名曲も名盤も多いBobby Timmonsではありますが、こちらも人に薦めたくなるような名作です。きらびやかな魅力というよりもごつごつとした泥臭い演奏に魅力があるBobby Timmonsですが、何度聴いても聴き飽きない奥の深いミュージシャンでもあります。これを機に再度見直してみようと思います。

Arnett Cobb "Cobb and his Mob in Concert Featuring Dinah Washington"。Arnett Cobbといえばいわゆるテキサステナーの代名詞ともいうべき名手ですが、このアルバムは録音が古いこともあってか最高級のエンターテイメント性が注がれ ている印象です。こういったスタイルで活躍しているプレイヤーは現代はもう聞かれませんが、思わず想いを馳せざるを得ない、大迫力の演奏です。Dinah Washingtonは同時代のスターで、キャラクターが強烈であったことは色んな所に書かれているものの、歌はストレートで特に癖のない印象です。当方 からすると逆に印象に残らないのですが、時代の心をつかんだプレイヤーだったということなのでしょうか。ではまた。



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