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5/6
福岡ボーダーラインレコーズの主催するセールThe Art of Records, Vol.6でレコードを大量購入して来ましたので、一部レビューします。
Ronnell Bright "Wright's Spot"はギターKenny Burrell、ベースReonard Gaskinによるトリオアルバムです。このRonnell Brightという人についてはこれまで全く名前すら聞いたことがありませんでしたが、どうやらボーカルのバックとしての活躍がよく知られているようで、 Carmen McRaeやSarah Vaughanのサイドメンとして参加しているものがありました。また、スタジオミュージシャンとしての経歴もあることから、個人のプレイスタイルのみで 売り込んでいくタイプのピアニストではなさそうです。演奏はと言うと、比較的リズムが軽くサクサクとしたピアノで、Carl PerkinsやWade Leggeを彷彿とさせるビバップより少し古めのスタイルで、アルバムの雰囲気は悪くないのですが、今一つ印象に乏しいというのが本音のところです。
Andrew Hill "California with Love"はソロアルバムで、全体としてAndrew Hill独特の世界が繰り広げられる感じですが、他のプレイヤーが干渉しない分、Andrew Hillという大変個性的なプレイヤーを純粋に楽しめる側面があります。明るいアルバムジャケットと内容のギャップが激しいのが難点と言うか、もう少し何 とかならなかったのか、と思いました。音楽そのものは暗くて陰鬱で難解な、いつものAndrew Hillです。ただ、ソロアルバムでは思っていたよりはるかに感情表現豊かなAndrew Hillが露わになっており、新鮮でした。
まだまだ沢山ありますが、今日はここまで。ではまた。
5/4
Archie Shepp "Trouble in Mind"はHorace Parlanとのデュオ作品ですが、非常に良いです。Archie Sheppという人は難しいことも色々やっているようですが、フリーのスタイルまでカバーするバラエティに富んだ音色を駆使してバラードを奏でるとこのよ うになるのか、と納得の一枚であり、何も考えずに聞いても非常に感じの良いバラードアルバムです。私が個人的に執心なのは淡々とバックを務めるピアノのHorace Parlanでしょうか。そこに出しゃばったもの、派手なものが何もなく、それでいて理想的なリズムを実現しているのだから、美しいとしか言いようがありません。お勧めの一枚です。
最 近買ったレコードでショックだったのは、Randy Westonの"the Modern Art of Jazz"です。これは、以前購入した"How High the Moon"というCDと全く中身が一緒という、大失態でした。Walter Bishopのアルバム"Milestones"が"Speak Low"と全く同じだったということが過去にあったのですが、こういうの、何とかしてほしい。ではまた。
3/27
Jackie McLeanの"Jacknife"は以前のJackie McLeanとはまた異なった趣があり、面白いと思います。この頃になるとJackie McLeanも実験的な音楽というよりはモード奏法に足を突っ込んだ演奏が体を成しているというか、不自然な印象を受けた時期のものとは明らかに異なりま す。トランペットにCharles Tolliverが参加しているのも面白い。ピアノのLarry Willisは、新しいものよりこの時期の演奏の方が好きです。
ス タイルとひとえに言っても難しいですが、Larry Willisと同世代のピアニストはハードバップ色を持ちながらもどこかそのベースにあるバップの音楽を薄めて使っているような印象があり、音楽全体がよ り印象重視というか、細かい一つ一つのフレーズの組み立てよりも、その時その時の響きに重視を置いているような感じを受けます。モードを取り入れた音楽を やる以上、避けられないことなのかもしれませんが、暑苦しいビバップの雰囲気が好きな人間からすると少し残念なところがあります。ではまた。
3/25
Charles Tolliverの"The Ringer"を聴いています。このアルバムは1969年録音、ピアノStanley Cowell、ベースSteve Novosel、ドラムJimmy Hoppsという顔ぶれで、ハードバップ直後の雰囲気をよくあらわしたアルバムだと思います。60年代後半を境にステレオレコーディングの発達もあり、音 楽自体はBlue Noteなどに聴かれるようなハードバップ色を強く残したものではありますが、きらきらした音色が全く異なる印象を与えます。商品としての音楽にも加工技 術の進歩が及び、これに対しミュージシャンも相応の音楽を作らざるを得なかった、という側面もあるのかもしれません。とはいえ、このアルバムに関しては Stanley Cowellの、時代としてはモダンな音楽性が録音にきれいに乗っかる印象が強いものの、Lee MorganらBlue Noteのレコーディングに多数残されている、モーダルハーモニーを重きを置いたファンキージャズ?の形をとっています。音楽自体は比較的王道に近いと思 うんですが、録音環境の変遷がかなり影響してるので、聴く人によってずいぶん印象が異なるのではないかと思います。
Charles Sullivanも同時代ということもあって、同じような印象です。録音の壁は大きいということを改めて実感する日々です。ではまた。
2/4
Johnny O'Nealの"On The Montreal Scene"、"Soulful Swinging"が届きました。やはりこのJohnny O'Nealという人はOscar Petersonのプレイスタイルをベースとしており、昔ながらの皮肉を含む明るい音楽を形作ります。"Soulful Swinging"はトリオアルバムであり、ベースにはOscar Petersonとの演奏でも知られるDavid Youngが参加しています。ドラムのTerry Clarke (Clark Terryではない) もカナダ人ドラマーであり、Oscar Petersonとの共演歴濃厚な人です。Oscar Petersonをベースにしていると言ってもOscar Petersonのように弾け飛ぶようなリズムではなく、少しタッチを深くどこか陰のある演奏をしてくれるところがJohnny O'Nealの魅力と言えるかもしれません。このトリオアルバムではDavid Youngの明るく前のめりなベースラインも非常に好印象です。一方、"On The Montreal Scene"での演奏は本人のボーカルにギターのRussel Maloneと少し色物の印象が強く、全体としてJohnny O'Nealのピアノ演奏が隠れてしまっている点が否めず、ピアノを聴きたい身としては残念でした。
Terry Clarkeの共演歴の中に出てくるLenny Breauというギタリストは良さそうです。以前購入したTal FarlowのDVDにも出ていたようで、名のある人なのでしょうか?カナダのギタリスト。ではまた。
2/1
Johnny O'Nealというピアニストは映画"Ray"でArt Tatum役を務めたことから広く知られるようになったピアニストですが、実際、その技術と表現力には圧倒されるものがあります。特に、映画で Yesterdaysを演奏したものが有名なんだそうです。少し聴いた感じだと、大枠のプレイスタイルはOscar Petersonに近いのではないかと思います。とりあえず、リーダー作である"On The Montreal Scene"、"Soulful Swinging"を注文してみました。届いたらレビューしてみようと思います。
Wikipedia には、Mulgrew MillerがJohnny O'Nealを絶賛している旨が書いてあります。Mulgrew Millerに言わせると、自分と同世代の中でもKenny GarrettとJohnny O'Nealは際立って優れているということだそうですが、どうでしょうか。特に左手の運用能力に優れたピアニストのように思います。
調べているとNeo-Bopという言葉が出てきたのですが、Wynton Marsalisらのいわゆるコンテンポラリージャズを指す言葉になるんでしょうか。いまいちよくわかりません。ではまた。
1/3
あけましておめでとうございます。
Duke EllingtonとBilly Strayhornのピアノデュオ作があります。"Piano Duet: Great Times!"というアルバムなのですが、これがまたすばらしい。両人ともその素晴らしい楽曲の数々は知られるところなのですが、Duke Ellingtonにしても、いささかビッグバンドの人、というイメージが先行し、演奏そのものに耳を向けられない傾向にあるように思います。このアルバ ムは二人のピアノデュオに他のリズムセクションを加えたもので、アルバムとしては少し格調高い、難しい印象を与えるものではありますが、この年代にすでに このような音楽が作られていたのか、と思うと痛快です。楽曲中にも聞かれるような独特のコードワークも面白い。また、Duke Ellingtonの作り出す強烈なリズムも魅力的です。
今年もよろしくお願いします。ではまた。
11/24
今 日もAhmad Jamalですが、今日は"Poinciana"というアルバムを聴いています。これはRay CrawfordとIsrael Crosby(もしくはEddie Calhoun)によるギタートリオですが、これは非常に良いです。Vernell Fournierの入った、ピアノの和音に非常に重きを置いたトリオと比較して、ピアノ、特にAhmad Jamalの左手がリズムの要となって響いてきます。Ray Crawfordは押しの強い演奏をするギタリストではありませんが、バランスよく音を組み立てる、ここでは良きサイドメンです。
Ahmad Jamalバンドはまた、Israel Crosbyを聴くことのできる貴重な録音を多数残している点が魅力です。若くして亡くなったIsrael Crosbyはあまり色んなミュージシャンとの録音を残していません。しかしながら、Ahmad Jamal Trioでは節々に各パートの響きを重視した構成を織り交ぜてくるため、Israel Crosby自身の演奏が活きる録音を多数残す結果となっています。動画としても残っていますので、そちらもお勧めします。
もうしばらくはAhmad Jamalばかり聴くことになりそうです。ではまた。
11/22
11月20日はギタリスト菅野義孝さんをゲストに迎えての「ジャズギター虎の穴」でした。どちらかというと演奏を肴にした宴会のようになってましたが、こういう趣のものもありだなと思いました。
Ahmad Jamalの"Alhambra"はフランスでのコンサート録音のなんだそうですが、Israel Crosby、Vernell Fournierともに冴えわたっており、非常にいいアルバムだと思います。なんといっても、Ahmad Jamalの演奏の醍醐味は静けさの中に突如火山でも噴火したかのように感じさせる、豊かなダイナミクスだと思います。テーマを提示しバンドを誘導する手 法も非常に新鮮で興味深いものですが、音そのものの表現の幅とその絶妙なリズムが実に自由自在、音楽を作る作業を目の当たりにするような面白いステージを 作ります。比較的新しいアルバムで、"In Search of the Momentum"はJames Cammack、Idris Muhammadを加えてのトリオですが、こちらはさらにそれを発展させたような演奏です。とはいえ、Ahmad Jamalの演奏は理解しやすい音楽かというと難しいところで、古いアルバムの方が馴染みやすい人が多いのだろうと思います。
"Jamalca"というアルバムも聴いてみましたが、これはジャズファンクみたいなアルバムでした。Ahmad Jamalに限らずですが、みんなこういうのを一度やってみたかったのでしょうか。ではまた。
11/5
鹿児島に行ったついでにジャズの店に少し寄ってきました。明日の地図、門、dufftownというお店に行ってみたのですが、詳細はリンクの項に追加してあります。鹿児島はここ数年でジャズのお店が大分減ったんだそうです。これはどの地域も一緒みたいですね。
Frank Hewittの新作"Salience"を買いましたが、内容は"We Love You"と重複している部分がたくさんありました。新たにリリースされた録音は4曲分で、後の5曲は"We Love You"と重複しています。Blue Noteレーベルでよくある、Additional trackのためにそのアルバムをもう一度買ってしまう減少と比べたらまだましですが、リリースされていない録音が残り少なくなってきたということでしょ うか?ちょっと残念です。このアルバムは全曲Ari RolandとJimmyLovelaceによるトリオです。
九州圏内でまだ全く回っていないのは佐賀、北九州です。他にも中心街から離れたお店はたくさんあるかもしれませんが、実際問題行くのは厳しいところです。ではまた。
10/25
リ ンクに福岡市内のジャズに関連のある店舗を追加していっています。福岡は、お世辞にもジャズの層が厚いと言えるような都市ではありませんが、都市が程よく 小さい分、どこに行くにも手軽です。空港から中心街まで10分そこそこなので、外から遊びに来る分にも良いのではないでしょうか。
Booker Ervinの"The Book Cooks"というアルバムがありますが、これは面白いアルバムでした。ピアノにTommy Flanaganが参加しているのですが、いつもの演奏と少し違います。具体的に言うと、いつものまっすぐな音楽の組み立て方を崩した部分が目立ち、知ら ずに聞くとTommy Flanaganとわかりません。Tommy Flanaganは初レコーディングが26歳の時で1956年ということなので、この録音時、30歳ということになります。既に懐が深いのか、周囲の影響 が色濃いのか、気になるところです。トランペットはTommy Turrentine、ベースにはGeorge Tucker、ドラムはDanny Richmondが参加しています。テナーにZoot Simsとあったのがまた驚きでしたが、先入観のせいでしょうか。
そ れにしてもTommy Flanagan、調べただけでも初レコーディングから30歳までにかなりの量のサイドメン参加を果たしています。初リーダー作である "Overseas"の録音までに40回ものレコーディングを果たし、この間およそ1年半。予定にぎっしりライブがつまり、2週に1回くらいはレコーディ ング、という感じでしょうか。録音をコンプリートするのは困難です。
Norman Simmonsのアルバムを数枚買ってみたので、また追々レビューします。掲示板にトピックスをいくつか挙げていますので、コメントお願いします。ではまた。
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